令和元年・水無月

清々しい初夏を迎え、鎮守の杜の木々も日増しに深くなってまいりました。

さて、伊和志津神社では63019時より「夏越大祓式」が斎行されます。月末近くになると、総代役員の皆様に御奉仕いただき「茅の輪」が設置され、多くの方が茅の輪くぐりをされご参拝されます。

宮中を始め全国の神社において斎行されてきた大祓式は、年に2度行われますが、6月は「夏越大祓式」(なごしのおおはらえ)と言い、「人形」(ひとかた)に自身の名前と年を記し、息を吹きかけ、自身の穢れを人形に移し、人形を我が身の代わりとして祓い清めます。夏の暑さを乗り越え、ひと夏を元気で過ごせますよう、病気や怪我をしませんようにと、願いながら茅の輪をくぐり、身を清め、家内安全、無病息災をお祈りします。

茅の輪くぐりには言い伝えがあり、その昔スサノオノミコトが、旅の途中、蘇民将来・巨旦将来という名前の二人の兄弟のいる地に立ち寄り、ミコトは一晩泊めてくれるよう頼みました。弟の巨旦はとても裕福だったのですが、ミコトの頼みを断り、兄の蘇民は貧しかったのです親切にミコトを泊めてさしあげました。スサノオノミコトは喜び、蘇民に「今後、この地に悪い病気が流行ったときには、蘇民将来の子孫であると言い、茅の輪を腰に着けなさい。そうすれば病気を免がれるでしょう」と言って、その地を立ち去った。という伝承が元になっております。

この腰につけた茅の輪を元にした「茅の輪守」を社務所にて授与しております。ご家庭の玄関先や神棚・居間に吊るして頂く事で夏場の災厄からお守りいたします。

また、ご都合によりご参列が難しい方は6月半ばより境内・賽銭箱にて人形をご準備しておりますので、お持ち帰りの上お時間ございます時に人形をお納めください。尚、夏越大祓式当日までにお持ちいただきますようお願い申し上げます。

宝塚 伊和志津神社 社務所